ぼくはマックであなたの記号を考える/天野茂典
かえって
童心にかえるのだ
小鮒やザリガニ
捕りに行くわけでもないのに
乱れるダイヤ
乱れる怒涛
そうしていつも
ぼくらはこうして
生き急いでいるのではなかったか
いつもぼくらのこころには
南洋海上で発生する
台風を持ち歩いているのでは
なかったか
吹き荒れる
シュツルム ウント ドランク
赤い傘は
壊れるだろう
夕べから雨・風が強くなるのだ
帰宅時間だ
それでもぼくは
駅前のマックに寄って
いっぷくやろうだろう
珈琲を飲むだろう
きょうも文化祭で模擬店をだすからだ
詩でない日常の
黄金の時間
ぼくはここであなたの記号について考えるのだ
美しい夕やけも見ないで*!
*ドンキホーテ セルバンテス
*吉野弘
2004・10・20
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