廻航したい季節/カワシロ
 
幼さをテトラポッドの棘とげに爪先立ちで残してきた夏  

木漏れ日から乱調の秋降り注ぐ エンブレムなんて破り捨てよう  

遠き日に屋根へと投げた乳歯が今落ちてきたよう昼の初雪  

ふくふくとソラマメ煮る音春月に吸われて弁当箱は軽いね  

戻る   Point(6)