絆/瀬崎 虎彦
 
展望台から悲しみのヒースを
揺らし、揺らしながら
誰も悲しみを共有することの無い
世界の中へ沈殿していく私

私は私から逃れられないにもかかわらず
私は私を客観視することで理性をジャイロの上に
どうにか据えることができて九月が
泡のように消えてゆくのです

未来から今へつながる物語の源泉
また過去から未来へ繋いでいく理想の柱
ただアルファベットを並べたわけではない

沈黙しても手を繋いでそばにいる
かつてあったあなたというひとと
かつてあった僕の間に培われた絆
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