timeless/三田九郎
 
きてられるんじゃん

って誰かが言ってた。

僕らは意味に救われるわけじゃないって。


一言も浮かばなくなると

君が置いていったアロマキャンドルに火をともす。

何とかという香りが気持ちを宥めると話していたけど

その香りの効能のほとんどは

君からもらった という事実が占めている。

君を想起させるものに幸福を感じるのはいつまでだろう。

炎の揺らぎを凝視しているうちに

また時間が遠ざかっていく。
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