黒/寒雪
潮風が夜の帳を連れて去り
厳かな今日の光が
水平線を少しずつ露わにしていく
岩肌が頬を染め
砂浜が肌を隠そうと波にもぐる
生気と活気に風景が色づいていく中
僕だけが依然として黒い
足元の影も主人を見捨てた
しけっている一本の炭が浜辺で寝転がる
遅くまで騒いだ未来のない若者たちの
片付け損ねた燃え尽きのカス
自嘲めいた状況を思いついて笑ってみたり
あなたには揺ぎ無い血統が足りない
昨日出会った少女は
薄ら笑いで爪を砥ぎ
ぼくの背後で囁いた
まだ旅の途中なんだ
静脈を通って心臓に向かう列車の中で
影と共に歩んだ旅路は
光に包まれた駅へと
そこで新
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