天海のわめき/信天翁
 
庭のむくげが猛暑で負けた
 腐った水密桃のようになって
庭の隅がわくらばで参った
 燃えるごみの置き場所のようになって

「風」がうなだれている
  「光」は怒鳴り散らしている
「時」もみけんにしわをよせている
  「空」だけがあっけらかんとしている

沈む独房の窓をのぞいても
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