疾走/
 
火花バチバチ壮絶化学反応
お星様が見える・・・・
いや違う。
これは現実だ。
気が遠のいていくに任せていた自分の意識を現実へと引き戻す。
顔面鷲掴みの状態で彼の指の隙間から覗くのは、荒く肩で息をする彼自身。
その時、大きく、唸り声が霧の奥から鳴り響く。
方向はわからないが、そう遠くはない。
途端、彼は手を僕の顔から腕に持ち替え走り出す。
ズルズルズルズルズルズル引きずられ加速していく。
一着しかないズボンがズルズルズルズル・・・。
気づけば僕の体は鳥の人の疾走により宙に浮いている。
す・・・すげぇ。
声も出ないよ。
これが鳥の人・・・?
昔話で聞いた韋駄天とか言うのに似てる気がする。

<to be continued....>
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