邪悪な双子/真島正人
{引用=
邪悪な双子が
僕の部屋にやってきて言った
「ねぇワルツを踊りましょうよ」
かわいらしいスカートの裾をもちあげ
優雅にお辞儀
僕は
二人とワルツを踊った
邪悪な双子は
にこにこと笑い
数分のうちに
溶けてしまった
骨だけが
部屋の中に残った
翌日は燃えないゴミの日だったので
透明なビニール袋に入れて捨てようとすると
隣の部屋の奥さんが僕を叱った
「あのね、そういうのはね、ちゃんと供養してあげるべきなのよ」
ウィンクまでして
「いくら邪悪な双子だといってもね」
僕は反省して
二人の骨を
テーブルの真ん中に置いた
時計の針が
音を立てて笑い
水
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)