Another Side Of/寒雪
までも走る乗用車
空腹になって動けなくなるまで
目的地はサイコロを投げて決めればいい
騒々しい光の渦を抜け
未踏の闇をヘッドライトが切り裂いていく
帆を張って大海に進み出る冒険家を気取って
赤い目の月光を道標にスピードを出し続ける
道が現れる限り走り続けていよう
無重力の恍惚とした高揚感に浸り
縛られない笑顔を携帯で記念撮影
画像の中
写っていたのは鼻水をたらした
無様な泣き顔
窓を開けて
空になったウィスキーの瓶を投げ捨てる
ガラスの砕ける音が
いつまでも耳の奥に居座り続ける気がした
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