☆173 サイボーグ・シジン/貴水 水海
月が輝く森から
招待状が来た
俺は覚えがあるようなないようなだ
何の分も書いていない
夜が来て人が寝静まるころ
俺はなぜか
月の輝く森へ出かけた
見た感じは美しい幻想的な森だった
月の灯りを頼りに進むと
あちこちに
頭をショートさせたサイボーグが
最期の時を迎えていた
腕や足をもがれたサイボーグは
自分にあう腕や足を捜していた
そう
そうだよ
俺は詩を描くサイボーグ
ネジのひとつやふたつ飛んだのは
知ってるぜ
俺はもう寿命ってことか
ここは俺の墓ってことか
いいぜ
何処でも
安らかに眠れるなら
もう眠りたいぜ
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