そこに当たりまえは見つからなくて、/
sio
隣の家からの、聞きなれた風鈴の音
ドアをきしませる、
カーテンごしの風
水色と青を混ぜたような空があって
目をとじて、またあけたら
ちゃんと雲はすすんでいる
そこには15年ぶん
年をとった
わたしとベランダと毎日が
しずかに、あって
代わり映えのしない
5人ぶんの洗濯ものが
音と一緒にゆれている
そんな時、
だれにありがとうを言えばいいのだろう
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