惑星の回転する音が/瀬崎 虎彦
 
神秘を踏み外して世界が回る
その少し下 メランコリーの上辺を
飽きもせず日々の生業に傷つく
21世紀のシチズンズ・オブ・ザ・ワールド

歌うように花が咲いて
またコスモスの季節なのだと気づいて
場所は違っても同じ匂いに包まれ
晴れる 晴れる 晴れる

夜の純度が高くなる
耳を澄ますならば ほら
あの頃予想もしなかった

毎日に生傷を作る
君と僕がともに立つ
惑星の回転する音が聞こえる
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