あなたに花束を差し出したい/
瀬崎 虎彦
イエラルシーはかっこつけて
電柱より高いところから
君の日常をじっと見ている
手出しはしない 見るだけ
NOxにまみれた有酸素運動の権化が
こぼれる夕方の未練を噛む頃
僕は白く焼けた砂の上にいる
その場所でのみ煙突が隠れる
機械の中の機械になって
工場で死ぬまで働きたい
カロ・ミオ・ベンを歌いたい
見違えるほど綺麗になって
オイルに塗れた手のひらで
あなたに花束を差し出したい
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