男類/小川 葉
 
 
 
父よ
あなたをうしなって
私が何を
うしなったのかと言えば

男どうしだからこそわかる
男に生まれた
宿命についてなのだった

父よ
あなたはいつも
私を庇護してくれた
女子供を
叱りながら

父よ
息子とはなぜ
こんな苦しみ方を
しなければならないのだろう

ばかばかしくて
涙が出そうになる
笑いたくなってしまう
そんな時も
あなたは私をおなじ男として
おなじ種族の生き物として

誰よりも理解してくれた
その人を
うしなったことが
何よりもかなしくて
心細いのだ
 
 
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