インスタント味噌汁/
小川 葉
味噌汁の
袋をあけると
あなたはいなかった
お湯が沸いてなかった
だから私は
信じることができなかった
もし
お湯が湧いてれば
あなたがそこに
いたのかもしれない
ことを
仕事は
翌日まで続いた
腹が減って
袋をあけた味噌汁を
真夜中に飲んだ
やはり
あなたはいなかった
お湯が湧いていた
こんな真夜中に
体の芯まであたたまった
あなたがいない世界で
あなたの体がない
世界の果てで
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