オベリスク/AB(なかほど)
 
砂漠

飽和湿度に近い街で
渇いた自分を見ている
店のガラスだけではなく
道行く人々の顔にも
同じような表情が広がって
だから
ときどき
父や母の顔を思い浮かべる
のだろう





君が掴もうとしているものは
手を伸ばせば
もうすぐ届くのかもしれない
僕が望むものは
目を閉じればいいだけで
この子の寝顔のように
君たちもその手に持つものを置いて
目を閉じれば
いくつもの星は語りだす



即興詩人

{引用=平日の
中野の公園で
即興詩人が時間をつぶしている
私に命題すれば
あなたの望む世界を見せる
と言うので
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