嵐に吼える/森の猫
月に2回くらいの間隔で
あたしは 言霊を吼えたくなる
嵐が来るという
嵐の夜の朗読会は燃える
みんな 燃えてる
あたしの名前が呼ばれる
いつも 何だか一番目
朗読会にはお酒がセットだ
あたしも強いカクテルで
酔いがまわっていた
生きにくさをキミは洞窟といい
あたしは牢獄といった!!!
その晩 知った言葉を怒鳴り
ノートをステージに叩きつける
気分は高揚して
自分で書いた詩が
ものがたりとなって
あたしをまた
興奮させる
どう 演じたかなんて覚えてない
セックスのないホモの夫と
精神を病んだ飲んだくれの妻の
話
夜明け前の空は群青
吼える 吼える 吼える
吼えた!
ごめんなさい
酔っ払ってます
あたしはそう最後に叫び
そのあとに
危うく
愛しいひとの
なまえを呼びそうになった
嵐の夜
朗読会は燃える
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