新涼/
アマメ庵
知らぬ間に 母がエアコンを入れている
こんなにぐっすりと眠ったのは 久しぶり
右の足元に星明り
首周りが心許なく タオルケットを深く被る
幾重にも重なる虫の声
「まだ夜中よ ゆっくりとおやすみ」
この家にエアコンなど無かった
スイッチを入れてくれた母も いない
母さん 目が覚めてしまったよ
僅かな常夜灯を頼りに 冷蔵庫
グラスにたくさんの氷 梅酒を注ぐ
今宵の夜風の煌きは キャンパスには描けまい
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