捨てないで/chi-ha
風に舞うゴミとじゃれた
逃げ惑うから必死に爪を立てて消えないように
けっして潰してしまわないように大切に
あたしの傍にはいなかったけれど
それでもよかった
狂ったようにそれだけ見ていられた
それだけ追いかけていられた
それだけでしあわせだった
でもあたしはひとりだった
となりで誰かが見ていた気がしたけど
涼しい風が吹き抜けただけで
きっと気のせいだったのかもしれない
爪を立てただけで逃げていくんだから
きっと気のせいだったに違いない
だいじょうぶ
雨露を防げる場所を知ってるから
拾ってくれるまで待ってるの
都合よく可愛がってくれる人を待ってるの
風に舞うゴミとじゃれながら
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