括られた九月/小池房枝
ラストノート彼女の香りと音楽とルーズリーフの最後の一枚
引き出しの記憶の奥に「ユトリロの白」とだけ画家の絵も知らないのに
猫よ猫、抱き上げた目の奥行きよ、あんた脳みそあるんかい?ニャー
カニの名はスベスベマンジュウ何故それを?清原なつのアンタ何者?
触るなと誰も私に触るなと私が私に深いところで
タンデムで「アーユー良かとっ」「良かっ」発進
「あんたば好いとぉ」「聞こえないよ〜」
美しさを持たぬ言語があるだろうか。カタコトであれヒトコトであれ
秋に飼う小さな二匹のカニの名にシロカニペそしてコンカニペなどと
押入れの布団の上で猫さまは牢名主さま
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