放浪癖/朧月
 
薄くめくってゆけば出口があると
思うのだろ
決めてるのだろ

片手を壁につけて
ゆくんだよと教えた

両手を水平に保って
おぼつかない足取りで
リズムにあわせてすすめば
ほらついた悲境

なみだいろの
ひねくれた視線
悪に満ちたこの手を
君と重ねよう

さんざん洗えばもう
おちると決めてんだろ
大量の血液さえとかす薬剤で

夜を待たずにゆくんだろ
太陽のもとへ
ことづけるものはないさ
罰せられにゆけ

君の肩をゆさぶって
正気にもどしたい
できぬなら捨ててゆくよ
思い出もいらない


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