放浪癖/朧月
薄くめくってゆけば出口があると
思うのだろ
決めてるのだろ
片手を壁につけて
ゆくんだよと教えた
両手を水平に保って
おぼつかない足取りで
リズムにあわせてすすめば
ほらついた悲境
なみだいろの
ひねくれた視線
悪に満ちたこの手を
君と重ねよう
さんざん洗えばもう
おちると決めてんだろ
大量の血液さえとかす薬剤で
夜を待たずにゆくんだろ
太陽のもとへ
ことづけるものはないさ
罰せられにゆけ
君の肩をゆさぶって
正気にもどしたい
できぬなら捨ててゆくよ
思い出もいらない
戻る 編 削 Point(1)