等しく星は/瀬崎 虎彦
 
誘惑に楔を打ち込んで
眠る時間まで起きていると
耳元で死に際を忘れた
昆虫が床に爪を研いでいる

仕事の量で計るものでは
ないのかもしれない人の生に
僕はまだ何も成し遂げていない
長い長い休暇の淵にいる

燃え落ちていくものは感傷と
無縁の浪費癖だといい
くだらない連中に火を放ちながら

群れを離れて生きていけばいい
行き詰るときは無理に進むんじゃない
僕と君に等しく星は遠いのだから
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