「 あこがれ 」/
椎名
水に映る光を
この手に入れたくて
焦がれても
焦がれても
風が吹けば消えてしまう
たとえば
空にかかる月に恋するように
不可能なこと
たくさんあるから
手に入れたくて
入れられないもの
欲しくても
遭遇することすら叶わぬもの
たくさんあるから
見つけられただけで
しあわせと
見ることができただけで
しあわせと
この胸に
そっとしまっておこう
めをつむれば
いつでも会えるのだから
戻る
編
削
Point
(3)