「 あこがれ 」/椎名
 
水に映る光を

この手に入れたくて

焦がれても

焦がれても

風が吹けば消えてしまう



たとえば

空にかかる月に恋するように

不可能なこと

たくさんあるから



手に入れたくて

入れられないもの

欲しくても

遭遇することすら叶わぬもの

たくさんあるから



見つけられただけで

しあわせと

見ることができただけで

しあわせと



この胸に

そっとしまっておこう

めをつむれば

いつでも会えるのだから




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