愉しみ/小川 葉
 
 
 
もう
酒と煙草しか
愉しみはなくなった

それから詩

鼻で笑われてもいい
あまえんなと
卑劣に
罵られてもかまわない

ただ、これだけは
どうか私から
奪わないでください

たったひとつの
愉しみなのだから

父さんも
私から
奪ってほしくなかった
 
 
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