絶語/古月
、いつもそこに言葉があって、羊水も言葉から生まれる。「おんせいとはきじゅつできないから、ことばでしるしてやれない。
熱」
言葉にうまれた雛鳥は、真夜中に羽ばたきの練習をしない。
予め、言葉は風を孕んで、羽、羽ばたく、
本棚は、やはり、塹壕だった。平和な僕のためだけに、与えられた残光の、羽。記憶をたどるための暗号が、誰も使わなくなった言語で、瞼の裏に刻まれていく。あのときのように。彼女の、華奢な彼女は、いまうたっているのか。小さな羽のような。すべて、およそすべての喪失、生誕、詩句に覆われた、僕の、母胎、なだらかな鼓動、行方の知れない彼女、書物をめくる、言語を、めくり、羊水、陽の、陽をとざす、くらい、深淵、
記憶、
おもいだす題名は
いつもいつも、
「The end of end」、
「The end of end」、
その日から
戦争は絶えず、
指折り数えた、
影踏み。
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