展望台と世界の花/
瀬崎 虎彦
まぶしすぎて螺旋を描いていた
体中の塩分が海に向かって
こぼれだしそうで
じっとフェンスを睨んだ
死んでしまうまでの時間を
生きていると呼ぶのだ
死んでしまう前に
生きているだけのことだ
わかれる折に数珠繋ぎの
マリーゴールドが空へ伸び
息を呑んでそれから吐いた
誰に向けて書いているのか
誰のために残すものなのか
残り時間がもうないのです
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