神様はいるのだ/吉岡ペペロ
 

彼女の結婚相手は気を病んでいた

彼女はアンデルセンもそうだったのだと言って

信仰している宗教の話しをはじめた

ぼくにはどれもが遠い気がしていた

あんまり一生懸命お祈りするもんだから

仏壇にむかって

こいつだけは、護ったってな、

彼女とおなじことばを唱えながら

神様はいるのだ、

信仰もしていないのに

彼女を抱きしめたくなっていた
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