ジュリエットには甘いもの 後編/(罧原堤)
、まってくれ、まだ話は終わっていない、頼む、お願いだからいかないでくれと僕は叫び続ける、叫び続けるだろう」と、言うと、本当に叫びだした。
いかないで! いかないで! お願いだからいかないで!と。
俺はどうしていいかわからずに右往左往していたのだろう。瞬間、瞬間のことであっても、記憶が、飛び、飛び、になってて、現存在を今、この瞬間として生きているにもかかわらず、現実が見えてこなかった。いや見えすぎていた。どういったらいいのだろう。今おきていることがすでに過去のことで、過去のことが今のことのような感じ、そのような錯覚に襲われていた。つまり、俺には説明能力がない。とりあえずガキがいたので、
「
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