君へ/桜 歩美
 
歩いてきたね、もう10年。

いつも一緒の歩幅で歩いてきたね。

いっつも一緒。

君と同じ足取りで。

失敗しては泣いてるお母さんの私だけど

君はいっつもだぁいすき。

どんなに家事が出来て美味しい料理が作れても

ほかのお母さんじゃだめなんだ。

僕のお母さんが世界で一番!

君はこんなダメな私のことをそう言ってくれました。

君がくれた一輪のバラの花に涙したあの日。

私の手をつないで嬉しそうに微笑む君。

授業参観で少し照れくさくなってきて

顔を赤くする君。

でも私のところへ来てくれる。

私が来たことへありがとうと言ってく
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