終夏の空に流るる/もずず
 
夏の終わり

ちっと舌打ちした彼女の悪意は
秋の初めには
彼女のもとへ戻るだろう

向日葵のような少女の笑顔は
来年の桜の頃
少女のもとへ戻るだろう

悪しきの足は速く
良のものはじんわりと

しかし絶え間なく歩み

あなたのもとへ

確実に

夏の終わり

丸みを帯びた青のもと




戻る   Point(3)