薄い胸/森の猫
がやっと
店を出て
手をつないで
駅へと歩く
めずらしく
あたしに 歩幅を
合わせてくれている
もう席はいっぱい
さして混んでもいない
入り口付近によりかかる
ふたりとも酔っている
あたしは
恥ずかしいキモチなどなく
その人の胸に
顔をうずめた
口紅がつくことも気にせずに
薄い胸
でも安らいだ 眠い・・・
電車の揺れに倒れそうになる
あたしの
肩をやさしく抱く人
準急だ
20数分が
長く感じられた
キモチいい
夢ごごちだ
ずっとこのままでいたい
最寄り駅のアナウンス
ぴったりと帰りエレベータ地点に着く
手を繋ぐ
肩を抱く
帰り道
ふたり・・・
薄い胸
薄い胸
あたしだけの
薄い胸
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