偽者と本物/寒雪
 


会社で毎日のルーティーンワーク
すると
ぼくの肩を叩いた同僚が
ぼくを名前で呼ぶ
生きてきてから今まで
慣れ親しんだ響きじゃなく
初めて耳に飛び込んできた名前
驚いて振り返ると
何事もなかったように彼は
仕事を押し付けて立ち去った


どういうことなのだろう
すっきりしないまま
モニターに目を向けると
一通のメール
開いてみると
仕事の依頼メール
でもやっぱりぼくの名前はそこになく
見たこともない名前で
ぼくは表現されていた


その後も
ぼくの知ってる人みんな
入れ替わり立ち代わり
違う名前でぼくを呼ぶ
どうしたんだろう
なんだかぼ
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