晩夏/
ふるる
引き潮に雨音が混ざる
夏の浜辺
探せなくなったあの子の
足跡が消える
砂に残る蛇模様
かすんでゆく水平線
瞳の奥でざざんと縛って
歩き出すしかない
ハマナスが 小さく 微笑む
蟹や小魚の墓地
明日また
また会えたらここで
満ち潮に足音が混ざる
夏のおわり
約束を果たせなかったあの子と
すれ違い
忘れられてゆく
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