風紋/夏/萩野なつみ
 
やりをして生きてゆく公転軌道


まっさらな屑星となり名前さえわからぬままにすれ違いたい


改行を繰り返しつつきみの吐く泡)泡)泡)の中のトウキョウ


死にたいと言いつつわらうわたしたちここ墨田区は海より低い


なにかへの答えのようにかたむいてわらう向日葵 夏はもう逝く


貝は貝と麒麟は麒麟とあいしあうこの世のすみのわたしの乳房


生きること生きてゆくこと ひとすじの洗いざらしのような孤独を


名付ければ壊れるもののあると知るいまだからこそきみに花束





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