【連詩】 プラットホーム/古月
 
電車をおりると
白線をはみ出した蟻たちの
行列、空をわすれた足どり、で
わたしたちは歩いてゆく上へ
憑かれたように(上へ、
空のない方の上へ、)そして、
さようならと手を振ります、(耐える指
ないことは空虚でしょうかよろこびでしょうか
足音は結ばれ ほどかれて
白い楽曲を奏でるためだけに(置かれる、指
つなげて。ループを、残りに雲に
つきさせて―――蜂鳥の身投げする私の右手

 包まり、口を汚れた大蟻喰の感受性を
手処るようにして、と思っていた。
電車の窓をみえるように。
/ 剥がす
壁一面に敷きつめた五線譜の裏側
潰しては塗りつける蟻たちの
樹形図、
未分
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