朝焼けの葬送/真山義一郎
 


あの日、あなたは逝ってしまったと
聞いた
ぼくはドーン・グロウの朝焼けを
小さな宝石にして
ポケットにしまった

憎しみは残り続けるかもしれない
しかし、憎しみとはなんと
陳腐なものなんだろう
いまだに
赤子のままで

今、一瞬だけの
朝焼け
新聞配達の少年が
自転車で駆けていく
君はどんな夢を見ている?

すだれに朝顔
鮮やかな紫色
木の香り

灰色の猫は伸びをして
また、丸まって眠る
日陰を選んで

今年の夏
朝焼けの宝石
一瞬のきらめき
一瞬だけのきらめき







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