夏も夏/船田 仰
空中分解したことばたちを
だらしない二の腕や腰回りにひっつけて座っている
いつのまにか夏も夏、それがもう
どろどろの睫毛の先にも刺さらずに
興味がない、が一番言いたいことなのは
一体全体
おしえてくれればわすれなかったのに
汗ばむてのひらを握りしめて、小さな穴が
覗き込めば血の色の太陽を
タイミングをのがした、輪郭をあわよくば
すばらしい日々
に、しようと、だらしなく座り込んだ夏も夏
ビタミンCが必要なのだなぁとおもう
ぼくがきみになるためには
何万回か、小さく新しくなり続けなくてはならない
空中分解したことばが
ひゅっと通り抜けてだらしない腕や首元に焼き付く
血の色をしたすばらしい日々
および
夏も夏
一体全体
おしえてくれてもわすれていただろう
きっと
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