片結びの夏/
アオゾラ誤爆
夏の終わりが
僕をくすぐるようだった
沸きだした熱が
いつの間にか
きみのかたちになって泣き出すと
僕は立ち止まるばかりだ
ここがどんな道でも
同じ
夕暮れの光は
ふたりを隠すほど眩しくはなく
ふたりを引きはなすほど
冷たくもなく
ただ揺れていた
砂浜に置いてきたサンダル
あの日へ導く栞みたいに
僕らを呼んでくれたなら
ああ
嘘ならもっとよかった
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