満月/天野茂典
 
科医が診察に連れてゆこうとしても
 車からがんとして離れず
 おおきなかれをその力の凄さで驚かせたり
 その声は病院中に響きわたった
 一睡もしないで水風呂につかったり
 夜中中なんども玄関をでてバイク
 フラクタル理論をかざして母親の壁をうちぬこうとしたり
 一睡もせずになんども玄関をでたりはいったりして
 125CCのバイク
 にまたがったり
 それは私の発狂だった
 (もちろん私は保険会社のブラックリストに載っている
  まだもう少し待たなければ車に乗れない
 こうして私の物的・精神的財産は無になったのだ
 きょうも鬼灯のように夕やけが綺麗だったそうだ
 妹が教
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