食べられるための蛙、特定外来種に成り上がる。/ブライアン
夜、雲がかかっているが、月は見えている。
けれど、星は見えない。
それは、晴れている日でも同じこと。
どこかに位置し、どこかに向かっている。
定まらない場所、正面。
真下を太陽が通過しているその時、
東か南かを決めるための決定権を
一台のトラックは持っている。
道を照らす電灯の光が連なっている。
橙色の光。立体ジャンクションを照らし出し、
そのトラックは、クラクションを長い間ならしながら走ってくる。
全身を邪魔するもの。
逃げ遅れた食用蛙の、黒く沈んだ体と声。
ボウボウ、と鳴く声。
トラックのハンドルが乱れている。
蛙をかわそうとしているのか。それとも、ひ
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