もういいよ/朧月
 
どちらにしても
人差し指と親指とを
くっつけたぐらいの大きさでしかない
わっか 
それぐらいの愛も私はもってはいないのだ
だれにも与えることはできないのだ

永遠だとか未来だとか夢だとか
一人分の自分勝手なものしか
押入れにしまっておかない

引き出しからは
入れっ放しの思い出が
たまにカタカタいいます

薄く開いたカーテンは
窓もあいていないのに
未練のように揺れている
そんな部屋にいても

もういいよ って答えてる
もういいかいってきかれないから
終わりってことにしないと
この想いは
封じることができない

もういいよって つぶやいて
頭からすっぽりかぶるよ
夜のカーテンしめても
この心にいつまでも終わりはこない


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