デトックス/
寒雪
ある時きみの
痛ましくてささくれだった心に
不意に素手で触れた時
指先からかすかに流れる
白い血液
ぼくの心には
まっさらな無垢の心が足りないのが
よくわかった
ある時きみの
暖かくて懐の深い親愛の情に
不意に素手で触れた時
手の平から夥しい量の
黒い血液
一時間経っても二時間経っても
止まることがない
いったいどれだけ
どす黒い影が流れ出したら
まともな人間になれるんだろう
膝の高さまで溢れてきた
ぼくの黒い血液を
なす術もなく見つめてる
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