「 散歩 」/椎名
 
木々の隙間から見上げた空は

青空ならよかったのだけど

残念ながらの曇り空

ちょっと重たい灰色の



それでもこころが軽いのは

あなたの笑顔があったから



もうじき紅く染まるはずの楓が

見上げた空に

黒いシルエットを見せている

小さな葉を精一杯広げて

残り少ない青葉の時期を

まっとうしている



与えられた時間



何も語らないけれど

自然は雄弁だ



言葉のない想い

受け取って歩こう

短い秋を楽しみながら




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