憂いの君/朧月
そうして君は
また悲しみを探してくる
見ようとしないでも
見えるなんて言う
君にかかればそこの
太陽に輝いてる木々だって
暑さに泣いている心細い命
君の細い腕を
僕が支えたいのに
君はまるで風のよにふわりと飛ぶ
膨らんだ風船のような
濡れた君の瞳に
僕は足止めされている
だけど言えないよ
悲しみだけが僕らの
色彩なんかじゃないって
伝えれば君が
もっと泣く気がして
窓から 風が入るね
僕ら今日 生きてるね
そのことに 君がもう少し
敏感なら 僕はうれしいのだけど
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