境界線/朧月
 
普通になりたい
うつむいてあなたは言う
小さな小さな声で

普通ってなんだ
なんて問えるだろうか
障害がある
と告げられた彼女に

決めたのは
普通の側ではないのか

なにが
もわからないままに
もつ側に私たちは置かれた

苦悩とは本人の涙
乾かすのは どんなものなのか
私はただ そこを動かないで
見つめていた きいていた

彼女がふたたび
顔をあげて すっくと立ち上がり
髪をかきあげるまで

私たちは いつでもここに
境界線を踏みながら語ろう
あなたという友人が
私にいることを誇りに


戻る   Point(3)