境界線/朧月
普通になりたい
うつむいてあなたは言う
小さな小さな声で
普通ってなんだ
なんて問えるだろうか
障害がある
と告げられた彼女に
決めたのは
普通の側ではないのか
なにが
もわからないままに
もつ側に私たちは置かれた
苦悩とは本人の涙
乾かすのは どんなものなのか
私はただ そこを動かないで
見つめていた きいていた
彼女がふたたび
顔をあげて すっくと立ち上がり
髪をかきあげるまで
私たちは いつでもここに
境界線を踏みながら語ろう
あなたという友人が
私にいることを誇りに
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