夜蝉/さき
 

眠たい
けれど眠れない
何もない
暗い世界を
おなかが減ったまま
歩いている
誰か
私を
どうぞ
いっぱいにして


片足脱げた
サンダルは
きっともう
そのままで
視界が傾くから
もう片方もさっき
闇に
投げた
長く
生きることに
興味はないって
言ってるじゃない
ほら


色のついたものは
良く分からなくなってきたけれど
キラキラしたものは
相変わらず
大好き
自分に似合うかどうか
ではなく
私が好きか
そうでないか


ねえ
時間が過ぎたって
嘘だわ
あんなに我慢したんだもの
次こそ
私の番
なんだわ
そうだと
決めてるの
分からなくなったんじゃ
ない



いつまでもほら

こんなに綺麗なの

私たちの世界は
終わらないわ



終わらないと
言って


言ってよ












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