透く色/ゆず
 
「疲れた」
呟いたきみの青白い顔が
目を閉じれば今も。

どこかからじわじわと
あふれてくる熱が
僕の指先を震えさせ

すべてを手放したくなる
ピアノの音

(生きててよかったと、確かに思ったのさ)

身をゆだねてしまいたくて
胃薬を飲む。
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