午後/松本 涼
 
ひからびている

あれは君を欲しがった
私だ


待ち伏せられた午後の中で
予感を創り

砂まみれの
希望を嗅いでいる



満ち足りている

あれは風に攫われた
私だ


放り込まれた午後の片隅で
衝動を煽り

焦げ臭い
刹那にときめいている



午前には
もういない



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