よだれ/Ohatu
 
ように行く先を確かめても
 たくさんの嵐とやまない風のせいで
 終着はいつも
 始まりを否定する
 終わりだけがくっきりと残る

 ふたりは陽の明かりに出て
 ふいに無言になり
 暑いね、とぼそり
 ぼそり
 少しずつ消えてしまう

 神さまは僕たちを殺して
 人間をいちから作ろうとした
 僕たちも、負けずに
 神さまを殺そうとした
 だから、ほんとうは暑くない

 もう、人間は冷え切っているのだ



























 
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