写真館まで/天野茂典
 
溢してきた
 アルハンブラの
 メロディーとともに
 シェラネバダ山脈の
 (雪
 のように
 純潔のまま
 わたしの
 (たましい
 は
 写真に写るか
 ロルカのように
 詩の結晶をのこせないかぎり
 わたしは
 (さまよう
     ばかりなのだ
 ジプシーのように
 土ぼこりにまみれ
 フラメンコはいい匂いがするものなのだ
 わたしの匂い
 ロルカの匂い
 血の匂い
 夕焼けぞらに

 きょうもひとりの
 (男
 が立って
 黒々と
 銃殺されてゆく



                     2004・10・14
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